自動車関連株に国策買いの声、エコカー需要拡大期待で
[東京 31日 ロイター] 自動車関連株に注目する関係者が増えている。足元の状況は厳しいセクターだが、国内で4月から低公害車について優遇税制が設けられることを背景に、ハイブリッド車などエコカーの需要拡大が期待されている状況だ。
自動車関連は同じく政策の後押しが見込まれる太陽光発電関連とともに、国策買いの相場テーマになるとの声も出ている。
株式市場では1日から始まる新年度相場において、中心となる相場テーマに環境関連株を挙げる声が多い。環境問題の深刻化から何年も前から注目されてきたテーマだが、世界経済が低迷する中で景気を浮揚させるためにエコカーや太陽光発電など環境に関連ビジネスを起爆剤にする機運が高まっており「各国の政策が後押ししていることで息切れすることなく長いテーマとして来年度も物色されそうだ」(三菱UFJ投信・戦略運用部副部長の宮崎高志氏)との声が出ている。
中でも関心を集めているのが自動車の分野だ。収益環境の悪化が顕著になっている中で需要を喚起するために世界各国でエコカーの購入を促進させる対策が活発化。そこから「エコ自動車が注目テーマになる」(ちばぎんアセットマネジメント・専務の安藤富士男氏)とみる関係者が少なくない。
エース証券・専務の子幡健二氏は「GDPの寄与度に対する大きさからも、日本のみならず世界各国は自動車産業のテコ入れに躍起。理解を得やすい環境問題に絡めて自動車産業を景気対策の目玉にしようとする流れがある」と話す。
日本では4月からハイブリッド車など低公害車について、購入時にかかる自動車取得税車検時にかかる自動車重量税が減免される優遇税制が実施される。減税幅は環境性能レベルによって異なるが、ハイブリッド車や電気自動車などは100%免除されることで「割安感から売れる可能性が出てくる。将来的に購入時に補助金が付く施策でも打ち出されれば、エコカーが一気に広がることも想定できそうだ」(準大手証券情報担当者)といった見方も出ていた。
たとえば、2月に発売をスタートしてから販売好調なホンダ(7267.T)の「インサイト」は、取得税などが100%減免となる対象車種のため、現在より15万円前後安く購入できるようになるという。
日本自動車工業会は2009年度の新車需要について、前年比8.0%減の429万7600台を見込んでいると明らかにしたが、このうち4月に導入予定の環境対応車に対する減税措置による需要は31万台になるという。
自工会の青木哲会長(ホンダ(7267.T)会長)は「いまの経済状況だと全体の需要をもっと引き上げることが必要」と述べ、ドイツが始めた自動車の買い替え促進のような追加策の導入を日本政府に働きかける考えを示すなど、業界ではより一歩踏み込んだ対策を求めている。
そうした中、株式市場ではエコカーに関する材料への反応が鋭い。31日の株式市場では、燃料電池に使用されている白金に代わる触媒として開発した「カーボンアロイ触媒」に関し、白金代替触媒としては世界最高レベルの発電性能を確認と発表した日清紡(3105.T)が人気化。ストップ高比例配分となり大引け後に952万6000株の買いを残した。
同社の広報担当者によると「カーボンアロイ触媒を利用した場合、現在の地金相場と加工費をもとに計算すると、白金に比べてコストが約6分の1で済む。エコカーの普及状況をにらみ開発を進めているが、来年の春にサンプル出荷を見込んでいる」という。
株式市場では、エコカーとともに普及促進策が想定される太陽光発電関連も、有力なテーマとして注目する関係者が多い。「これらに関連するビジネスは、政策の後押しを受ける格好で収益のプラス要因となる。まさに株式投資における王道と言える『国策買い』のテーマになりそうだ」(エース証券の子幡氏)との声も出ていた。
(ロイター日本語ニュース 編集 宮崎 大)
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