〔アングル〕迫るクライスラー救済期限、需要底割れ・現地生産停止を懸念する日本勢

Wed Apr 29, 2009 10:32pm EDT
 
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 [東京 30日 ロイター] 米クライスラーは破産申請を回避できるのか──。伊フィアット(FIA.MI)との提携交渉が期限の30日を迎え、日本の自動車業界は緊張を強めている。仮に破産決定となれば、5月末に再建協議の期限が迫るゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)への懸念と相まって、底打ちの兆しが見えかけてきた新車販売に冷や水を浴びせかねない。ただ、破産後にフィアットがクライスラー事業を引き受けることになれば、内外に波及するダメージは緩和されるとの見方も浮上している。それでも部品調達できずに日本勢の北米現地生産が停止したり、クライスラーと取り引きのある日本の部品メーカーが売掛金を回収できなくなるリスクも大きく、5月以降の展開は読み切れない。

 <下期回復シナリオに狂い>

 「懸念要因は米ビッグスリーの動向」──。ホンダ(7267.T)の近藤広一副社長は28日の決算会見で、こう不安を口にした。未曾有の自動車不況と言われながら、これまでに決算を発表したホンダと三菱自動車工業(7211.T)、ダイハツ工業(7262.T)の乗用車メーカー3社は、いずれも2010年3月期を営業黒字で計画。新車販売も底が見え始めたとし、下半期から業績が上向くシナリオを描いている。

 しかし、クライスラーが重大局面に陥れば、ホンダや三菱自動車の見通しを狂わせかねない。米政府は28日、クライスラーの債務を削減することで主要銀行やヘッジファンドなどの債権者と暫定合意したものの、クライスラーが連邦破産法11条の適用申請を回避するには、フィアットとの提携をまとめる必要がある。経済への影響を最小限に食い止めるために米政府がどのような手を打つかにもよるが「米自動車メーカーの問題が精神的にも実態的にも(経済に)影響を与える。できるだけうまい形で解決してもらいたい」と、三菱自動車の益子修社長は話す。

 一方で、フィアットはクライスラーが破産申請するのを待って提携するとの一部報道も流れている。みずほ証券・シニアクレジットアナリストの寺澤聡子氏は「フィアットは以前から、クライスラーが11条の適用を申請した後も、丸抱えで面倒をみると公言している。米政府も無秩序な破たんを避けるために手を尽くすだろうが、フィアットは良質な再建パートナーであり、ショックは和らぐ」と評価する。

 <販売金融の資金調達が再び困難になるおそれ>

 クライスラーの債務は約6800億円。同社は非上場のため入手できる情報が少なく、債権の焦げ付き以外ににどのような損失が発生しうるかは不透明だ。みずほ証券の寺澤氏の試算によると、5月末に米政府との再建交渉期限を迎えるGMの場合、破たんによって金融市場に3兆4000億円─4兆6000億円の損失が発生する見込みだという。

 

 米国ではローンやリースといった販売金融を使って自動車を購入するケースが多く、リーマンショック以降の急激な信用収縮が自動車販売不振の主因となっていた。ここにきて「(販売金融会社の)資金調達の厳しさが緩んできた」(ホンダの近藤副社長)との声も聞かれるが、クライスラーが破たんすると再び、資金調達が困難になるおそれがある。

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