[ジュネーブ 3日 ロイター] 中国で1960年代に実質的に一掃された性感染症、梅毒の感染が拡大している。世界保健機関(WHO)の報告書で3日、明らかになった。
報告書で、中国の疾病予防管理センターのXiang-Sheng Chen氏は、農村部から都市圏への大規模な人口流入が主な要因と指摘。予防キャンペーンや集団検診、売春宿の閉鎖、性産業従事者への無料処置を通じて、梅毒をいったんはほぼ根絶したが、1980年代の好景気以降、再び感染が見られるようになった。
梅毒の患者が多いのは、南東沿岸部などの景気が良くて貧富の差が激しい地域。故郷の村に妻を残す出稼ぎ労働者が、コンドームを使わずに売春婦と性交渉し、感染するケースが多いという。
中国当局の発表によると、公式に報告された2008年の梅毒感染は27万8215例。2004年以降に3倍、過去10年では10倍に増加している。