May 12, 2020 / 3:45 AM / 14 days ago

WRAPUP 1-不動産へのコロナの影響注視、REIT購入などで深刻化防げる=日銀総裁

[東京 12日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は12日の衆院財務金融委員会で半期報告を行い、新型コロナウイルスの影響で日本経済は厳しい状況が続く見通しと述べた。感染症の影響が長期化すれば不動産市況に下押し圧力になるとして、市況下落による金融への影響を注視する姿勢を強調。不動産投信(REIT)の購入などの金融緩和で、不動産市況の深刻化を防ぐことができると明言した。

黒田総裁は、先行きの経済・物価は感染症次第で不確実性が極めて大きいとした上で、企業金融も緩和度合いが低下していると指摘。必要であれば躊躇なく金融緩和を強化すると改めて強調した。

<やれること何でもやる>

黒田総裁は不動産市況に関し、これまでは緩やかに上昇してきており「足元大きく下落しているわけでない」との認識を示しつつ、新型コロナ対応のワクチン開発の遅れや第2波到来などで「経済活動の制約が長期化すれば不動産市況の下押しに働く」と指摘。担保価格下落を通じた金融収縮について「かつての経験から重要なポイント」と指摘し、不動産動向を注視すると強調した。

日銀は4月の金融政策決定会合で、新型コロナの感染拡大で打撃を受けた民間部門の資金繰りを支援するための特別オペの拡充を決定。金融機関に対し、オペ利用相当額の当座預金にプラス0.1%の付利を行うことを決めた。

黒田総裁は当座預金への付利について「金融機関に企業の資金繰り支援を促進してもらうためだ」と説明。収益悪化に陥った金融機関への事実上の補助金だとの見方を否定した。

同会合で検討を公表した金融機関の貸し出し促進のための新資金供給制度については、鋭意検討中で6月の次回会合を待たずに公表するとの方針を示し、「そう時間かからずに決定可能」と述べた。

黒田総裁は、中央銀行として「やれることはなんでもやる」と改めて強調した。ただ「現時点で地方債の買い入れを行う必要性があるとは考えていない」とも述べた。

<国債の無制限購入によるインフレ「絶対に起こさない」>

日銀は4月の決定会合で、年80兆円としている長期国債の購入めどを外し、国債の買い入れを積極化することを決めた。

黒田総裁は「国債買い入れはあくまで金融政策の観点で実施している」と述べ、財政ファイナンスとの見方を否定した。2%の物価安定目標が実現すれば、現在の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」も修正されるとし、「国債を無制限に買い入れて、インフレをもたらすことには絶対にならないようにすると約束できる」と明言した。

国債と並んで購入を積極化している上場株式投信(ETF)について、内田眞一理事は「いつまで積極的な買い入れを継続するか、現時点で予断は持っていない」と話した。ETFを通じて保有している日本株は市場全体の5―6%程度、3月末時点の簿価は約30兆円だと説明した。

<「必要なら躊躇なく追加緩和」再表明>

黒田総裁は半期報告で、世界経済について「新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行の影響により、急速に落ち込んでいる」とし、「国際通貨基金(IMF)の最新の世界経済見通しでは、2020年の世界経済成長率はマイナス3.0%と、リーマン・ショック時を超える大幅なマイナス成長が予想されている」と指摘した。

日本経済に関しても「内外における感染症拡大の影響から厳しさを増しており、先行きも、当面厳しい状態が続く」との見方を示し、「物価も当面、感染症の拡大や原油価格の下落などの影響を受けて弱含む」と語った。

先行きの経済・物価の見通しについては「感染症の拡大が終息する時期や内外経済に与える影響の大きさによって変わり得るため、不透明感がきわめて強く、下振れリスクの方が大きい」と述べた。

金融市場は「ひと頃の緊張が幾分緩和しているが、流動性は低下しており、引き続き神経質な状況にある」と指摘。国内金融システムは「全体として安定性を維持しているものの、金融環境をみると企業の資金繰りが悪化するなど、企業金融面で緩和度合いが低下している」と述べ、日銀としては「当面、感染症の影響を注視し、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」と強調した。 (竹本能文、和田崇彦 編集:青山敦子、内田慎一)

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